小さなお店が大きい店に対抗するというと
まず思いだすのがランチェスター戦略です。
そんなランチェスターを研究した結果なのか
大手家電量販店に見事対抗した事例をご紹介します。
もし、自社よりも商品を安く提供する店が
すぐ近くにできたらどうしますか?
それも、品ぞろえもケタ違いのお店なら、死活問題ですよね?
小さな家電販売店では、価格も、商品点数でも、
量販店にはかないません。
商品の種類もそうですが、価格にいたっては20%も30%も高い
のですから・・・
全く同じ商品ならやっぱり安い方がいいと普通は思いますよね?
そう普通は・・・
そこで東京都町田市の家電販売店「でんかのヤマグチ」は、
生き残りをかけターゲットをシニア層に絞り、
量販店にはないサービスを始めたのです。
同じことをやったら負けるのだから、
量販店にはマネ出来ないサービスで勝負したのです。
それは「値引きはしない」代わりに、徹底したアフターサービスと
別の付加価値での勝負です。
「困っているお客さんがいたら、すぐに飛んでいく。
高い値段で買ってもらっても、納得してもらうようなサービスを提
これがスローガン。
・お客様が喜ぶことは何でもやる
・3万4000世帯の顧客を1万2000世帯に搾る(その代わり
・顧客の情報をデータ化し、社員全員が閲覧できるようにする。(
・地域ごとに担当者を決めて、すぐに訪問できるように体制を整理
・購入時期や金額などで顧客をグループ分けし、訪問する回数を決
目指すのは、昔ながらの究極の御用聞き営業です。
営業職員は用がなくても顧客宅を日に5~6軒は回り、日頃から顔
お年寄りがいつもと様子が変わらないか?
困っていないか?
を巡回するのです。
購入した家電の操作方法の説明や修理はもちろん、
包丁の刃研ぎ
旅行中に留守をする家の植木の水やり
または留守の間の犬のエサやりや散歩
スーパーへの買い物
部屋の模様替えなど
ありとあらゆるサービスを実践。
この徹底したアフターサービスを続けた結果、ご高齢のお客様から
家電を買う際は、必ず選ばれるお店になりました。
年間売上高は単独店舗としては異例の10億円を超え
黒字経営を続けているそうです。
低価格路線とは一線を画した、電話一本で駆け付けてくれ
顧客の要望をかなえる「ご用聞き」家電販売店です。
この小さな家電販売店の話を聞いて、どう思われますか?
成功の秘訣は、あくまでターゲットをシニア層に絞った事。
ネットでどこが最安値かを調べるような客層はもちろんの事
一人暮らしの若者宅には、かえってうっとうしいサービスでしょう
家電製品は機能が向上すればするほど、若者は喜ぶが
その分お年寄りには、使いにくく、難しく、お困っているハズだ
という顧客ニーズに気がついた事。
それには細やかなアフターサービスで対応しようとした点など、
私達が参考にする点はいくつもありますよね?
そして、もうひとつ大事なことは
「人は価格だけで購入先を決定するわけではない」、ということで
「価格が安くなければ、買ってもらえない」と、思われがちです。
しかし、お客様との関係性を育てることでそれは変えることもでき
価格を安くする前に考えてみたいですね。